(本)「なぜ夜に爪を切ってはいけないのか」北山哲

 

「なぜ夜に爪を切ってはいけないのか」日本の迷信に隠された智恵

タイトルに惹かれて手に取りました。下記のような迷信について書かれています。

 

夜に爪を切ると親の死に目に会えない

かつて日本では、死者を埋葬する際に、その近親者が自分の髪や爪をともに埋めるという風習があった。

『日本書記』には、「人体の一部である爪には霊魂が宿っている。だから幽気が暗躍する夜に、爪を切るという行いは慎むべし・・・・・」

爪といえども、親からの授かりものであり、それを夜間に切ると親からの授かりものを粗末に扱う行為になるとされた。

電気がなく、照明器具も発達していなかった時代は、暗がりの中で深爪をしたり、足の指を傷付ける恐れがある。こうした危険を招く行為も、親不孝の始まりになると言われるようになった。

 

ミミズに小便をかけるとオチンチンが腫れる

ミミズは農村部に暮らす人々にとっては、信仰の対象ですらあった。

ミミズが地中を這うことによって、土が耕される。ミミズの多い田畑ほど良い土壌であり、「田畑の神様」と崇める地域もある。

そんな神様にオシッコをかけるなんて、不埒な行為だというのが、この迷信のいわんとするところ。

 

貧乏ゆすりをすると出世できない

昔の日本は、貧富の差が現在よりも激しかった。今ではほとんど見られないが、物乞いをしてその日の糧を得る人も多かった。このとき、物乞いの中には、手足の震えが止まらないという症状をかかえていた人たちがたくさんいた。酒で身を持ち崩して、アルコール依存症の症状が出ていたのかもしれない。あるいは、栄養失調で、手足の震えが止まらなくなった可能性もある。

ともかく、手足が震えているのは、貧乏の証というイメージが、一般庶民の間に広まっていった。そのため、膝を小刻みにゆする癖のある人を見ると、物乞いが連想され、出世できないと言われるようになったようだ。

 

茶柱が立つと幸先がいい

「柱」が縁起の良いものとされたことが大きい。

『古事記』の中で、大国主命が妻を迎えて宮殿を建てた際、土台になる石にしっかりと柱を立て、天高い場所に屋根を作るようにとした一節が残されている。

ここから、天高く伸びていく柱は運気がよく上昇する象徴と見なされるようになったのである。

 

以上の他に、

鏡をまたいではいけない

全部たいらげてからお代わりするのはよくない

噂されると、くしゃみが出る

夜に口笛を吹くと蛇が出る

元旦に掃除をしてはいけない

五黄の寅の女は気が強い

などなど、全部で70以上のことが書かれています。

恥ずかしながら、知らなかった迷信もありましたので、大変勉強になりました。友人宅、親戚宅などでご飯をお代わりするときに、全部たいらげてからお代わり していた可能性が高いです。迷信を知っている方は気付く部分だったことでしょう。今後の生活に必要な迷信が書かれていると思います。

 

 

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